下水道の財源(建設改良費と管理運営費)    長谷川明巧
はじめに   公共下水道の会計  負担区分  費用構造   建設改良費   管理運営費

1. はじめに

 下水道は、家庭や事業所からの汚れた排水(汚水)を集約処理してきれいにし、また街に降った雨(雨水)を河川・海まで排除する役割を担っており、今や私たちの安全で快適な生活や経済活動を支え、水環境の保全に不可欠なインフラ施設(ラインフライン)となっています。

 最近では下水道の整備・普及が進んだことにより、地震災害でトイレが使えなくなった場合や豪雨で浸水被害が発生すると、にわかに下水道が注目を浴びることになります。
 しかし、普段は下水管が地下に埋設され、処理場やポンプ場は市民生活から離れた場所にあるため、マンホールを除いて身近に目に触れることがありません。

 そのため、下水道が整備されて、供用されると1年365日休むことなく稼働し、市民はその恩恵を享受しているにも関わらず、次第に下水道への関心が薄くなってきます。極端な場合、下水道使用料が水道料金と一括して徴収されることもあり、市民自ら負担していることさえ認識されていないこともあります。
ましてや、下水道の建設費用(建設改良費)に多くの税金が使われ、整備された施設を継続的に稼働させるため費用(管理運営費)に下水道使用料が賄われていることも、あまり知られていないのではないか危惧されます。

そこで、普段なじみのない下水道の建設改良費や管理運営費の財源について取り上げてみたいと思います。
下水道には、公共下水道、流域下水道、都市下水路がありますが、ここでは市民に身近な「公共下水道」について述べていきます。公共下水道は、市町村が管理者(公共下水道管理者)となって設置、改築、修繕、維持その他の管理を行います。その内、設置及び改築は「建設改良費」、修繕、維持その他の管理費用は「管理運営費」に分類できます。