富士の清流のまち・三島での水変遷                望月 倫也 
                                                  2014.10         
わたしの田舎の三島市は富士山の融雪水が溶岩台地を伏流してわき出す湧水のまちだ(った)。過去形で言うのは訳がある。
 昭和20年代の後半からたびたび父の実家である三島に帰省した。実家は市中央に位置し大きな境内を持つ寺で、名勝・楽寿園に隣接し、その湧水をなみなみと湛える小浜池と通じる「池」があった。小浜池はいまでも清流・源兵衛川の水源となっている。
 「池」(無名)は清澄でよく泳いだが、地下水由来の低水温なのでものの5分も耐えられない。その池からの境内を通る流出水路に寺の雑排水が排出されていた、と知るのは後年のことだ。三島市の下水道整備はかなりあとだ。便所はくみ取り、雑排水は水路に流す、状態が続いていたのであろう。もう一本の小浜池からの清流「宮さんの川」が流末となっていたが、その宮さん川(と呼んでいたはずだ)でも「河童」我慢比べの水泳会場になっていた。水質に問題はなかった。下流での農業用水利用への温水化のため、せき止められて水位が確保されプール状になっていた。
 下水道整備が進んで下水管に流すようになって、その流出水路がご用済みになった。湧水のほうも上流の工場などの地下水開発が進んだため量が激減し、「池」そのものが空池になった。寺では不要の水路は埋め立てて有効利用しようと言うことになって、申請が必要なことが判明。青線(普通河川)だったのだ。公有水面埋立法の申請となった。いまでも旧青線の国有地が境内にある。空の「池」も公有水面だろう。
 現在の源兵衛川は水量は減ったが、清流を保っている。小浜池の少ない湧出水は源兵衛川専用に流されている。宮さん川のほうは水源が無くなったので、単なる細長い池と化している。それでも道路側溝の悪排水が入ってしまうので、水質悪化を防ぐための分離水路が池内に設けられている。
 なお、小浜池の水位低下は著しく市民の心配の種となっている。HPでも毎日の水位を発表している。http://www.city.mishima.shizuoka.jp/rakujyu/kohamaike_current.html


現在の源兵衛川。当時は水量が豊富で小洪水ぐらい流れ、川に入るのは危険だった



写真は
まちなかで水遊びができる川(三島)より転載