酸素法実験プラント 石巻市 写真 溝呂木さん/文 織井 明さん
 昭和47年、昭和電工(株)がアメリカ・ユニオンカーバイド社(UCC)から酸素法を技術導入し、昭和ユノックス(株)を設立、酸素法の普及のため、多額の経費をかけて実験プラントを備えたトレーラーを製作し、全国主要都市で実処理実験を実施しました。この技術は、UCC社がアメリカ政府と共同開発したものですが、活性汚泥法で、溶存酸素濃度を2〜5PPMと高くすると、生物反応速度が上がる、汚泥の沈降速度が上がる等、大きなメリットがあることについて既に沢山の報告がでていました。新しく開発された技術は次の2点でした。1)酸素を有効適切に、目詰りなく使うための密閉多段の機械曝気反応槽の開発。 2)UCC社得意の、モレキュラーシーブ(合成ゼオライト)を使ったPSA酸素製造装置開発。この結果酸素活性汚泥法が世界各国で、下水処理、工場排水処理に幅広く使われました。

 日本の都市では、川崎、京都、姫路など。写真は石巻市の水産加工団地で実験中のもの です。装置がコンパクトで高負荷排水に対応できる特長があり、揖保川流域下水道、鹿島町トンネル処理場(島根県)などでも採用になり、元気で動いています。
 工場排水では、化学、製紙、食品等で採用されています。特に製紙工場では、製造工程のなかで酸素漂白、酸素でオゾン発生があり、ほとんどすべての大手製紙工場の排水処理に採用されています。