1.水処理プロセスからの汚泥の発生       下水汚泥処理の解説−1

下水中に含まれる汚濁物質には、溶解性物質と浮遊性物質があります。浮遊性物質の多くは、最初沈殿池で沈殿除去されます。沈殿除去された汚泥を、最初沈殿池汚泥(初沈汚泥)または生汚泥といいます。最初沈殿池で除去されなかった溶解性物質や残存浮遊性物質は、エアレーションタンクで微生物(活性汚泥)により浄化され、その結果、増殖した微生物は汚泥として最終沈殿池で沈殿除去されます。この汚泥を、余剰汚泥(余剰活性汚泥)といいます。最初沈殿池汚泥と余剰汚泥を混合した汚泥を混合汚泥といいます。また、未だ汚泥処理を受けていない汚泥を生汚泥といいます。
水処理プロセスは、通常、中大規模処理場では標準活性汚泥法が、小規模処理場ではオキシデーションディッチ法が用いられています。この2方式での汚泥発生箇所を下図に示します。


標準活性汚泥法とオキシデーションディッチ法の汚泥発生箇所

汚泥の発生量(汚泥プロセスに送られる量)は、流入下水の水質や水処理プロセスに依存しますが、一般の都市下水では、流入下水量の1〜3%程度です。