●街中での異常な臭い 　繁華街、ビル街など歩いていると強烈な卵の腐ったような臭いをかがれた経験のある方が多いと思います。この原因の多くは周辺のどこかのビルの地下排水槽（ビルピットともいいます）の管理が悪いことにあります。ビルでは地下室の下に汚水のタンクを設置して、そこからポンプで下水道に送るようになっています。ある程度溜まったらポンプが動いて、汚水を汲み出します。 　地下排水槽は長時間下水をためておくと腐敗し、卵の腐ったような臭いの硫化水素を発生させます。これがポンプで汲み上げられるなどかき回された時に大気に出てきて悪臭が発生します。硫化水素は高濃度に存在すると非常に危険です。また、まわりのコンクリートをぼろぼろにしてしまいます。長年、硫化水素が出続けると、排水管だけでなく取り付け管、下水道の管までだめにしてしまいます。 　この問題が起こらないようにするため、地下排水槽の適正な管理が必要です。排水槽の容量は、長時間汚水が停滞しないよう、大きすぎない適正規模のものが必要です。汚水が腐敗しないように保つ装置（ビルピットエースなど）もあります。また地下排水槽は汚泥が沈殿しやすく、汚泥は硫化水素発生のおおもとになりますから、ときどき掃除しなければなりません。