テーマ主旨説明      研究集会幹事 佐藤和明

本日のテーマの主旨説明を簡単にさせていただきます。
今年5月の下水道ホットインフォメーションに、5月19日付中国新聞 「下水処理の行方 高度浄化に「不要論」 増えぬ漁獲 栄養不足か」という記事が掲載されたということが紹介されていました。山口県は富栄養化を招く窒素やりんを除去する高度な処理を進める方針を掲げて施設の改善を進めてきたが、山口湾の漁業者からは「浄化一辺倒ではなく、生き物の栄養も適度に流してほしい」との声が上がり始めているというものです。この件については山口大学で瀬戸内海の水質改善を研究テーマとして長年取り組んでこられた浮田先生がコメントを寄せておられました。
この議論を是非私ども21世紀水倶楽部のメンバーにご紹介いただきたいと浮田先生にお願いしましたところ、難しいテーマではあるが、お引き受けいたしましょうと、お返事いただきまして、本日の研究集会への運びとなりました。
また、東京湾でも近年水質が改善されてきており、魚が戻ってきているといわれている一方で、赤潮や青潮の発生は続いています。国総研の藤木部長は、以前、国土交通省下水道部で流域管理官として東京湾の水質改善に積極的にかかわってこられました。本日はそうしたご経験も踏まれた立場からご講演をいただきます。
栄養塩削減の切り札とされる下水道について関係者はどのように情勢を見極めていくのか、本日のテーマについて極めて造詣の深いお二人の専門家のご講演を基礎として論議を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。