話題提供−1
21世紀水倶楽部理事 亀田 泰武

はじめに
 温水洗浄トイレ,入浴剤,新しい洗剤,トイレに流せる掃除シート,油を乳化して流す液体など新しい商品も出てきており,排水の性状も変化。様々な観点から下水道を考えることが本日の目的。
 関連する話題としてのディスポーザーは,問題が大きくなりすぎること,本日の講師は専門ではないことから,本日のテーマからは外したい。

      

     田園調布の堰 1970年代                  現在

1960年代に電気洗濯機の登場とあわせて合成洗剤が増加。東京湾表層水のPO4-P変化を見ても60年代から増加し,70年代には濃度として約倍。下水処理場においても生物反応槽等での発泡で苦労があった。

70年頃から分解型の合成洗剤の普及で分解性は改善されたが,水域でのりん濃度増加の課題。琵琶湖等から洗剤の無りん化の動きが始まり,改善は進んでいる。
合成洗剤の例
 多摩川(田園調布取水堰)における下水道普及率と水質(BOD)の推移を見ると,下水道の普及に従い改善されていることがわかる。1970年代後半は現在と比べると明らかに洗剤の泡が多いが,それ以前よりは改善された状況。