講演4:下水道管理からの視点−1                 

下水道管理は、排水規制物質以外の相当数の化学物質の個々を検証するということはなく,BODあるいは窒素,りん低減というアバウトな指標で見られることが殆ど。
身近な化学物質の視点で,現場でどのような対応をしているかについて,代表的な物質で述べる。他についても概ね同様と推定していただきたい。
横浜市では,150m3/日が流入し,汚泥として2t/日発生。これを減量化して最終的に灰として50t/日。単純に一人当たりに換算すると,水量として350L/(事業所系も一部含む)で,最終的な焼却灰が10g/日程度。快適な生活をする上で,最終的な灰分として10g,これに350Lものかなり大量の水を使用している。
生活排水の比率を示す。井須さんのデータと若干異なるが,H9年度水道局資料によるもので,風呂35%,台所25%,洗濯19%,トイレ9%,洗面7%となっている。
河川表層の発泡から水に対する認識が高まった経緯がある。以前は陰イオン系の比重が高かったが,近年は非イオン系が増えてきている。陰イオン系は硬度があると潜在能力が落ちるということ,非イオン系が衣服等への洗剤残存量が少ないというのが伸びの理由と見られる。

北谷 道則氏:横浜市下水道局水質管理課長補佐
 下水道の管理,処理場における水質管理,工場の排水指導などを長年担当。下水道事業団へも出向。